誕生日のこと

うちの両親は、公立中学の教員で、野球部(ソフト部)に吹奏楽部の顧問で、年末年始も土日も含め、ほとんど家にいなかった。

 

いたとしても、疲れて寝ていることが多かった。

 

翌日にアルコールが残らないように、平日は、お酒を控えていた。

 

そのため、私の誕生祝いは、誕生日当日に実施されたことがなかった。

 

その際の誕生日プレゼントも祖父からだけだった。

 

だから…

 

誕生日当日に、私の大好きなカラオケに行き、ご飯を食べに行き、欲しかったプレゼントをもらうなんて、盛大にお祝いしてもらったのは、彼が初めてだった。

 

プレゼントを開けて、

 

「え…いいの?大きいから、高いよ、これ…」

 

と恐縮していた私を見て、当たり前だろ!って顔していたこと、忘れない。

 

欲しかった、魔女の宅急便のジジのぬいぐるみ。

 

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あれから12年かな。

 

29歳になっても、(はたから見れば不気味なほど)四六時中、ジジのぬいぐるみと一緒に過ごしている。

 

ご飯をあげたり、一緒に寝たり、バッグに忍ばせて仕事に行ったり、勉強したり。

 

 

生前、彼と一緒に過ごした一瞬、一瞬が驚きと感動の連続で、いつも感情を揺さぶられていて、かけがえのない時間になっている。

 

逆を言えば、その数年間以外の年月が色あせて見える。

 

やっぱり、今日もメソメソしちゃうな…。

 

今日は授業(仕事)だから、頑張ろ。

 

ジジも一緒に行くよ!