お葬式だった日
裕也、
夏休みの最終日。
翌日から後期が始まろうとしていた日。
裕也のお母さんと叔母さんの悲痛な、叫びのような泣き声、
裕也のお父さんのご挨拶、
学ランを着ていた弟、
バスをチャーターして駆けつけた同級生、
渋谷くんからのメッセージ、
同級生からのメッセージ、
全て鮮明に覚えてる。
忘れない。
忘れられない。
大好きだった秋の涼しさ。
陽射しの落ち着いた夕暮れ。
入棺された裕也にキスしたら、おとぎ話のように裕也は目を覚ましたのかな。
おとぎ話を見て育った分、現実の残酷さを思い知らされる。
19歳だった私は、29歳になってるよ。
裕也と一緒に聴いて、歌っていた、RADばかり聴いてるよ。
一緒に聴きたいな、歌いたいな。
無理ばかり言ってごめんね。
裕也…
逢いたい。
裕也にお葬式は似合わない。
またおどけて笑わせてよ。