現実に戻る
裕也、
また1日遅れちゃってごめんね。
カウンセリングする部屋にね、
裕也への思いを置いて、
部屋を出たら、私は現実に戻るんだ、って、
カウンセラーに言われたのね。
そうしよう、って。
私が現実をちゃんと生きられるように。
ずっと裕也が私の何割かを占めているか、
裕也に包み込まれている、ように見える、らしいの。
それだと私が現実の世界で、幸せや愛情を感じられない、と。
四六時中、裕也のことを考える必要もないし、考えていたら、現実を生きられないから、って。
それを、マッサージを受けながら考えていて、涙が溢れてきたよ。
あのお部屋に私、思いを置いてきたから、今は、考えちゃダメだって、一生懸命に現実と向き合おうとしたよ。
でも、裕也の存在は、私にとって、あまりにも大き過ぎるんだよ。